前田専學さんのウパデーシャサーハスリーの校訂本が届きました。
早速気になっていた韻文編の17章第24詩節を調べると、やはり意図的に削除されていました。
韻文編のテキストを見ると大きくA系とB系に分かれていて、次のような特徴があるそうです。
A系…韻文編が最初に来て、散文編がそれに続く。韻文編4章5’を欠いている。
B系…散文編が最初に来て、韻文編がそれに続く。韻文編4章5’を含む。
A系はさらに a、b、c に分かれ、B系は c、d に分かれます。
a … 韻文編18章227~230 の3詩節半を含む。テキストのみ。マハーバーラタ12,242,4の引用を持たない。
b … 韻文編第18章227~230 の3詩節半が欠落している。テキストは1本を除いてアーナンダジュニャーナの注解を伴っている。マハーバーラタ12,242,4の引用を持たない。
c … 韻文編第18章227~230 の3詩節半が欠落している。ボーダニッディの注解を伴う。マハーバーラタ12,242,4の引用を17章23詩節と24詩節の間に持つ。
d … 韻文編第18章227~230 の3詩節半を含む。テキストのみ。マハーバーラタ12,242,4の引用を17章23詩節と24詩節の間に持つ。
e … 韻文編第18章227~230 の3詩節半を含む。ラーマティールタの注解を伴う。マハーバーラタ12,242,4の引用を17章23詩節と24詩節の間に持つ。
注解者の年代は、アーナンダジュニャーナは13世紀半ば、ラーマティールタは17世紀。
アーナンダジュニャーナの採用したテキストとボーダニッディの採用したテキストには大きな差異はなく、インドで繰り返し印刷されてきたのはB系のテキストだということでした。
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