Amazon.com の書評を読んでいて、 “Vijñāna Bhairava” がOshoの“The Book of Secrets”で解説されていたヴィギャン・ヴァイラヴ・タントラの原典だと気づきました。
Jaideva Singh の英訳が Scribd に在ったので、ちょっとOsho の邦訳と比べてみたら、瞑想法についての記述に入る前段のシヴァとパールヴァティーとの対話からして抜粋訳になっていて、112の瞑想法の順番も原典とは異なっていました。
Osho のテキストはPaul Repsの英訳に基づいていています。それを瞑想のテーマごとに分類して注解しているのでスートラの順番が変わっていたのです。
Paul Reps はSwami Lakshmanjoo から Vijñāna Bhairava Tantrra の手ほどきを受け、Swami Lakshmanjoo の英訳を11回以上書き換えてこの英訳になったと言っています。 最初1955年春 "Gentry magazine" に掲載され、1957年に“Zen Flesh, Zen Bones. A Collection of Zen and Pre-Zen Writings”の中に収録されました。彼は俳句や禅の影響を受けた詩人でもあるので、その訳文は簡潔で自由訳・超訳になっています。
オリジナルのテキストを見るのにはJaideva Singh の注解でで十分だと思いましたが、Swami Lakshmanjoo の解説の評価が高く、また Jaideva Singh の師に当たるようなので、 “Vijñāna Bhairava, The Manual for Self-Realization” を購入してみました。もとは Lakshmanjoo の講話CD7枚とその Transcript の本一冊のセットでしたが、私が手に入れたのは第三版のmp3CD1枚(AudioCD7枚分の講話が入っています)が付録になっているものです。
おなじ録音からテキスト起こしされた “Vijñāna Bhairava,The Practice of Centring Awareness” という本もありますが、こちらの方はSwami Lakshmanjoo の確認を得ずに出版されたもので間違いも多いようです。
Osho の注解ので用いられているテキストとポール・レップスの英訳ではtheがaになっているとか脱落しているとか、一部微妙な違いがあります。少し例をあげてみましょう。上がポール・レップス下がOshoになります。
Verse 58
33. Gracious one, play the universe is an empty shell wherein your mind frolics infinitely.
110. Gracious one, play. The universe is an empty shell wherein your mind frolics infinitely.
Verse 93
68. Pierce some part of your nectar-filled form with a pin, and gently enter the piercing.
21. Pierce some part of your nectar-filled form with a pin, and gently enter the piercing and attain to the inner purity.
Osho は原典をほとんど見てないようですが、下の例は微妙ですね。Paul Reps に別の版があったのか、原典を見たのかもしれません。
他の訳についても紹介しておきましょう。
Swami Saraswati Satyasangananda – Sri Vijnana Bhairava Tantra: The Ascent.
著者はカシミール・シヴァ派の流れに属していないので、呼吸の時意識するポイントなど解釈がLakshmanjooやJaideva Singhと違う部分があります。
Bettina Baeumer - Vijnana Bhairava - Das goettliche Bewusstsein
独訳です。原典に忠実な訳に見えます。
2012年2月11日土曜日
Vijnana Bhairava Tantra (Vigyan Bhairav Tantra) のリソース
Osho の注解をオリジナルのテキストと比較しようとしたら、対応するはずのテキストが見つけられず、困りました。そうしているうちに見つけたリソースのまとめです。
後で分かったことですが、Osho の注解のテキストはポール・レップスの英訳に基づいており、しかも順番を瞑想のテーマごとに並べ替えていたので Osho のテキストのナンバリングに基づいてサンスクリット・テキストを見ると全く別のところを参照していることになるのです。
しかもポール・レップスは禅の影響を受けたこともあって、その訳は今はやりの言葉でいうと自由訳・超訳になっているので、それに基づいたOshoの注解はまったく原典の意図を離れたものになっていることがあり要注意です。
Vijnana Bhairava Tantra の理解には、カシミール・シヴァ派の伝統を受け継ぐ Lakshmanjoo の注解書と彼に手ほどきを受けた Jaideva Singh の注解書を基本にするのが良いと思います。
最初にこの書を英訳したポール・レップスについて書いてあります。
http://www.geocities.jp/oshotara/vbt_introduction.htm
http://www.paulreps.com/Biography.aspx
Zen Flesh, Zen Bones
ポール・レップスの著書、この中の“Centering”の章が Vijnana Bhairava Tantra でした。
Lakshmanjoo から教えを受けたことが書かれています。
http://books.google.co.jp/books?id=m9CCTo258n8C
Centering
http://lukestorms.com/2010/10/19/centering-practices/
http://www.spiritual-learning.com/centering-reps.html
上のリンクは Centering のポール・レップス自身による紹介部分も含まれているので先に挙げたのですが、すこし誤植が多いようです。次のリンクのほうが誤植が少ないです。
http://www.friakademi.se/downloads/FreeAK/paul%20reps%206.htm
http://o-meditation.com/2010/12/02/shivas-112-meditation-techniques/
Vigyan Bhairav TantraOshoの注解書のPDF
最初講話を16づつまとめて一巻とし”The Book of the Secrets Volume 1 - 5” として出版されましたが、のちに40づつ全二巻の“Vigyan Bhairav Tantra Volumes 1 and 2”として出版されたものに基づいたものです。.
Osho の注解に用いられているテキストはポール・レップスの英訳に基づいています。
ただし瞑想のテーマごとにまとめて並べ替えているので、オリジナルのサンスクリットテキストと対照しようとするとかなり手間取ります。
http://www.messagefrommasters.com/Beloved_Osho_Books/Tantra/Vigyan_Bhairav_Tantra_Volume_1.pdf
http://www.messagefrommasters.com/Beloved_Osho_Books/Tantra/Vigyan_Bhairav_Tantra_Volume_2.pdf
Oshoの解説部分の抜粋
http://www.oshoworld.com/tantra_medi/index.asp
Jaideva Singh の英訳・注解
Swami Lakshmanjoo の弟子による注解です。
http://www.scribd.com/doc/72481270/Vijnana-Bhairava
Vijnana Bhairava Tantra - Sanskrit Text with English Translation
Swami Satyasangananda Saraswati の“Sri Vijnana Bhairava Tantra - The Ascent” からサンスクリット・テキストと英訳部分を抽出してPDFにしたもの。
http://www.scribd.com/doc/24802550/vijnana-bhairava-tantra-rajendra
http://cleaves.zapto.org/news/attachments/oct2011/vijnana_bhairava_tantra.pdf
L. SILBURN の仏訳
http://www.tantra.fr/texte/VBT.htm
Daniel Odier の仏訳
http://www.danielodier.com/FRENCH/textes/vijnana_f.html
仏訳からの英訳
http://www.danielodier.com/ENGLISH/Texts/vijnana_e.html
http://www.scribd.com/Soham%20Hamsah/d/10050600-Vijnana-Bhairava-English-Translation
Lorin Roche - THE RADIANCE SUTRAS
ここに公開してあるのは32詩節まで、訳文に解釈を入れた自由訳のようです。
http://www.lorinroche.com/radiancesutras/radiance/sutras1992.html
http://www.lotustantra.com/Vijanabhairava%20Tantra2.pdf
ヴィギャン・バイラーヴ・タントラ 全文対訳
Osho の注解書の順序でポール・レップスの訳を対訳してあります。一部誤植があり訳文も誤植を反映しているところがあります。
http://www.geocities.jp/oshotara/vbt.htm
後で分かったことですが、Osho の注解のテキストはポール・レップスの英訳に基づいており、しかも順番を瞑想のテーマごとに並べ替えていたので Osho のテキストのナンバリングに基づいてサンスクリット・テキストを見ると全く別のところを参照していることになるのです。
しかもポール・レップスは禅の影響を受けたこともあって、その訳は今はやりの言葉でいうと自由訳・超訳になっているので、それに基づいたOshoの注解はまったく原典の意図を離れたものになっていることがあり要注意です。
Vijnana Bhairava Tantra の理解には、カシミール・シヴァ派の伝統を受け継ぐ Lakshmanjoo の注解書と彼に手ほどきを受けた Jaideva Singh の注解書を基本にするのが良いと思います。
最初にこの書を英訳したポール・レップスについて書いてあります。
http://www.geocities.jp/oshotara/vbt_introduction.htm
http://www.paulreps.com/Biography.aspx
Zen Flesh, Zen Bones
ポール・レップスの著書、この中の“Centering”の章が Vijnana Bhairava Tantra でした。
Lakshmanjoo から教えを受けたことが書かれています。
http://books.google.co.jp/books?id=m9CCTo258n8C
Centering
http://lukestorms.com/2010/10/19/centering-practices/
http://www.spiritual-learning.com/centering-reps.html
上のリンクは Centering のポール・レップス自身による紹介部分も含まれているので先に挙げたのですが、すこし誤植が多いようです。次のリンクのほうが誤植が少ないです。
http://www.friakademi.se/downloads/FreeAK/paul%20reps%206.htm
http://o-meditation.com/2010/12/02/shivas-112-meditation-techniques/
Vigyan Bhairav TantraOshoの注解書のPDF
最初講話を16づつまとめて一巻とし”The Book of the Secrets Volume 1 - 5” として出版されましたが、のちに40づつ全二巻の“Vigyan Bhairav Tantra Volumes 1 and 2”として出版されたものに基づいたものです。.
Osho の注解に用いられているテキストはポール・レップスの英訳に基づいています。
ただし瞑想のテーマごとにまとめて並べ替えているので、オリジナルのサンスクリットテキストと対照しようとするとかなり手間取ります。
http://www.messagefrommasters.com/Beloved_Osho_Books/Tantra/Vigyan_Bhairav_Tantra_Volume_1.pdf
http://www.messagefrommasters.com/Beloved_Osho_Books/Tantra/Vigyan_Bhairav_Tantra_Volume_2.pdf
Oshoの解説部分の抜粋
http://www.oshoworld.com/tantra_medi/index.asp
Jaideva Singh の英訳・注解
Swami Lakshmanjoo の弟子による注解です。
http://www.scribd.com/doc/72481270/Vijnana-Bhairava
Vijnana Bhairava Tantra - Sanskrit Text with English Translation
Swami Satyasangananda Saraswati の“Sri Vijnana Bhairava Tantra - The Ascent” からサンスクリット・テキストと英訳部分を抽出してPDFにしたもの。
http://www.scribd.com/doc/24802550/vijnana-bhairava-tantra-rajendra
http://cleaves.zapto.org/news/attachments/oct2011/vijnana_bhairava_tantra.pdf
L. SILBURN の仏訳
http://www.tantra.fr/texte/VBT.htm
Daniel Odier の仏訳
http://www.danielodier.com/FRENCH/textes/vijnana_f.html
仏訳からの英訳
http://www.danielodier.com/ENGLISH/Texts/vijnana_e.html
http://www.scribd.com/Soham%20Hamsah/d/10050600-Vijnana-Bhairava-English-Translation
Lorin Roche - THE RADIANCE SUTRAS
ここに公開してあるのは32詩節まで、訳文に解釈を入れた自由訳のようです。
http://www.lorinroche.com/radiancesutras/radiance/sutras1992.html
http://www.lotustantra.com/Vijanabhairava%20Tantra2.pdf
ヴィギャン・バイラーヴ・タントラ 全文対訳
Osho の注解書の順序でポール・レップスの訳を対訳してあります。一部誤植があり訳文も誤植を反映しているところがあります。
http://www.geocities.jp/oshotara/vbt.htm
2012年2月5日日曜日
ガヤトリ・マントラのアクセントについて
ガヤトリ・マントラはリグ・ヴェーダの 3-62-10 に入っています。
それならヴェーダ・アクセントの付いたテキストがあるはずだと思い、調べてみたらいくつかありました。
初めのオーン・ブフール・ブフヴァッ・スワハの部分はリグ・ヴェーダに含まれていないので、そのあとの部分をアクセント記号付きで表示すると次のようになります。
初めのオーン・ブフール・ブフヴァッ・スワハの部分はリグ・ヴェーダに含まれていないので、そのあとの部分をアクセント記号付きで表示すると次のようになります。
興味深い書き込みを見つけたので紹介します。
http://www.hindudharmaforums.com/showthread.php?t=7605&page=2
ここの Saidevo さんの書き込みが面白いです。
Anuradha Paudwal の発音のおすすめでない点や、svah は間違いで suvah でなければならないなど、いろいろ書いてあります。
彼のアクセント付デーヴァナーガリー表記はこうなっています。
http://www.scribd.com/doc/31402821/gAyatrI-acc
これを見ると、 最初の行のヴィサルガの発音は実際の発音通りにつづられています。
ワレーニャンのレーとプラチョーダヤートのヤーのアクセントは縦棒2本の dīrga swarita (前半は中音で後半高音になる)になっています。
http://www.scribd.com/doc/31402821/gAyatrI-acc
では聞き比べてみましょう。
ラヴィ・シャンカールの Chants of India のガヤトリ・マントラではプラチョーダヤートのヤーは確かに dīrga swarita になっているように聞こえます。
http://www.youtube.com/watch?v=C7IrmkV3mPM
Rattan Mohan Sharma は両方とも dīrga swaritaですね。Unni Krishnan も同様でした。
http://www.youtube.com/watch?v=1MzIPU6qHsU
下のページにヴェーダの学習風景の動画がありますが、ちょうどガヤトリ・マントラの詠唱の練習をしているところがあります。2分ぐらいから「タッサヴィ、タッサヴィ、タッス、タッ、タッサヴィトゥール、サヴィトゥル、ワレーニャン、ワレーニャン…」と、すさまじいですね。
http://ancientindians.wordpress.com/tag/swarita/
2012年1月16日月曜日
ガヤトリ・マントラの発音について
ガヤトリ・マントラの発音で疑問に思っていた点が少しわかってきたので、まとめてみました。ちなみにガーヤットリーが正しい発音らしいです。どうして促音が入るのかはよくわかりません。ルドラもルッドラと発音するので何か法則があるんでしょうけど、ご存知の方があればご教示くださいませ。
先ずガヤトリ・マントラをデーヴァナーガリーとiastで表記してみます。
ॐ भूर्भुवः स्वः
oṃ bhūr bhuvaḥ svaḥ
तत्सवितुर्वरेण्यं
tat savitur vareṇyaṃ
tat savitur vareṇyaṃ
भर्गो देवस्य धीमहि
bhargo devasya dhīmahi
bhargo devasya dhīmahi
धियो यो नः प्रचोदयात्
dhiyo yo naḥ pracodayāt
dhiyo yo naḥ pracodayāt
サイババの音源を勧める人が多いのでこれを基準にしてみて、初めに躓いたのはヴィサルガの発音です。hの下に点のあるやつですね。
最初のところそのまま読めば「オーン、ブフール、ブフワハ、スワハ」ですが、「ブフワハ」でなく「ブフワッ」と聞こえます。
これはじつは実際の発音は外連声の法則に従ってヴィサルガがスワハのsに同化してsに変化しているのですが、表記はヴィサルガのままになっていたのでした。
涌井和著『サンスクリット入門 般若心経を梵語原典で読んでみる』のヴィサルガの発音の説明で「後に歯擦音が続くとき、その音に同化することがある(まれではあるが実際にそう綴られることもある)」とありました。
なるほど確かに「シャンティ、シャンティ、シャンティヒ」もそうなってますね。
なるほど確かに「シャンティ、シャンティ、シャンティヒ」もそうなってますね。
bhūr のrもヴィサルガが外連声の法則に従って変化したのもですが、こちらはそのまま表記されています。
ヴィサルガの発音でもう一つ分からなかったのが naḥ がナハでなくナッとしか聞こえないことでした。
ガヤトリ・マントラをいろいろ聞いているうちに実際にナハと発音しているものも見つけました。
Anuradha Paudwal です。
次にナフと発音しているものを見つけました。Unni Krishnan です。(ちなみにこのCDの2曲目には音源にノイズが入っているのでお勧めできません)
http://itunes.apple.com/jp/album/gayatri-mantra-mrutyunjara/id188849687
どうやらサイババやその他多くの人のガヤトリ・マントラでナッとしか聞こえないのは次のプラチョーダヤートのpの音に引きずられて f に近い発音になっているためではないかと思います。サンスクリット自体にfを表記する文字はないので、ヴィサルガのヴァリエーションの一つと考えることができるのではないでしょうか。
文法書ではありませんが、下のPDFにこのような説明がしてあります。
http://www.shanty.org.ve/files/boletines/saivedasn6.pdf
スペイン語でしょうか?こう書いてあります。
Cuando nos encontramos con una palabra terminada en “visarga” (un puntito debajo de la “h”), seguida de una palabra que comienza con “p” (pracodayāt), hace que el sonido de la “visarga” se transforme en una suave “f” (la razón de esto obedece a ciertas reglas del sánscrito de cierta complejidad para abordar en este análisis, solo basta decir que si no pronunciamos la “f” y sólo pronunciamos “na”, equivale a hacer una negación de todo el pedido que se está realizando en esta línea).
機械翻訳で英語にして読み解くとだいたいこんなかんじでしょうか。
「ヴィサルガで終わる単語がpで始まる単語に続くとき、ヴィサルガは滑らかなfになります。(その理由はサンスクリットのある連声の法則に従うためですが、こう言えば十分でしょう。もしfを発音せずにnaだけ発音するなら、この行の祈り全体を否定してしまうのと同じことになるからです。)」
naは英語で言うとnot、noですから、naと発音すると「プラチョーダヤートしないで下さい」という意味になるということですね。
ガーヤトリー・マントラの逐語訳はここが詳しいです。
http://blog.sitarama.jp/?eid=654899
どうやらサイババやその他多くの人のガヤトリ・マントラでナッとしか聞こえないのは次のプラチョーダヤートのpの音に引きずられて f に近い発音になっているためではないかと思います。サンスクリット自体にfを表記する文字はないので、ヴィサルガのヴァリエーションの一つと考えることができるのではないでしょうか。
文法書ではありませんが、下のPDFにこのような説明がしてあります。
http://www.shanty.org.ve/files/boletines/saivedasn6.pdf
スペイン語でしょうか?こう書いてあります。
Cuando nos encontramos con una palabra terminada en “visarga” (un puntito debajo de la “h”), seguida de una palabra que comienza con “p” (pracodayāt), hace que el sonido de la “visarga” se transforme en una suave “f” (la razón de esto obedece a ciertas reglas del sánscrito de cierta complejidad para abordar en este análisis, solo basta decir que si no pronunciamos la “f” y sólo pronunciamos “na”, equivale a hacer una negación de todo el pedido que se está realizando en esta línea).
機械翻訳で英語にして読み解くとだいたいこんなかんじでしょうか。
「ヴィサルガで終わる単語がpで始まる単語に続くとき、ヴィサルガは滑らかなfになります。(その理由はサンスクリットのある連声の法則に従うためですが、こう言えば十分でしょう。もしfを発音せずにnaだけ発音するなら、この行の祈り全体を否定してしまうのと同じことになるからです。)」
naは英語で言うとnot、noですから、naと発音すると「プラチョーダヤートしないで下さい」という意味になるということですね。
ガーヤトリー・マントラの逐語訳はここが詳しいです。
http://blog.sitarama.jp/?eid=654899
2011年12月18日日曜日
ヴェーダ・アクセントの教材
ヴェーダのテキストにアクセント記号がついているものがありますが、
無料のいい教材が見つかったので紹介します。
サイババ関連ですが Vedam Tutorials です。
ヤジュル・ヴェーダのルドラム(ルドラ讃歌って感じでしょうか?)です。
Maha Mrityunjaya Mantra も Namah Shivaya もルドラムの一節だそうです。
PDFにmp3、音声埋め込みPDFなど充実しています。
あとサーマ・ヴェーダのメロディーの記号が読めるようになる教材があればいいのですが…
無料のいい教材が見つかったので紹介します。
サイババ関連ですが Vedam Tutorials です。
ヤジュル・ヴェーダのルドラム(ルドラ讃歌って感じでしょうか?)です。
Maha Mrityunjaya Mantra も Namah Shivaya もルドラムの一節だそうです。
PDFにmp3、音声埋め込みPDFなど充実しています。
あとサーマ・ヴェーダのメロディーの記号が読めるようになる教材があればいいのですが…
2011年12月17日土曜日
Unni Krishnan の CD 購入しました。
Unni Krishnan “Gayatri Mantra & Mrutyunjaya Mantra” を購入しました。
実はCD購入前にAmazonのmp3ダウンロードで2曲300円で買ったのですが、
Mrutyunjaya Mantra の後半ノイズがひどくてがっかりしました。
Amazon に問い合わせたら返金してくれたので助かりましたが…。
いかにもCDに傷が入っているようなノイズなので、傷入りCDからmp3化したのだろうと思い
もとのCDを買うことにし、安くすませるためインドの通信販売を利用しました。
梱包は日本でも見たことないくらい丁寧で、CD一枚なのにタッパーみたいな
入れ物の中に発泡スチロールを緩衝剤にしてCDが入っていました。
ところが肝心のCDを聞いてみると、やはり同じようにノイズが載っていますw
CDの原版にノイズが入っていたのでした。仕方がないのでSoundEngineFreeという
ソフトでノイズの入っていないところを編集して聴けるものを作ってしまいました。
マントラなので同じメロディーの繰り返しですから、聞いてて継ぎ目が分からないくらいに
うまく編集できました。
ジャケットの裏を見ると前にここに書いたのとは違う説明がしてありました。
Om Jun Sah の OmがBija種字で、シャクティ(Parashakti)がJun、
Sah はlynchpin(要?サンスクリットでkīlaka[pin, pillar])、
このマントラを伝えたのは Maha Chama Pada と書いてあるのですが、
マントラのシャクティとか kīlaka って何なのでしょう。
調べてみるとここを見ると少し説明してありました。
Mantra in japa yoga plays an important part, as mantra is an absolute science. In Hinduism, mantra has six parts. It has got a Rishi (a man of Self realization) who revealed the Mantra to the world for the first time. He is the Drashtra or the Seer for this Mantra. For instance, Sage Viswamitra is the Rishi for the Gayatri. Secondly, the Mantra has a metre (Chhandas), which governs the modulation of the voice. Thirdly, the Mantra refers to a particular Devata or super natural being. This Devata or God is the essence of the Mantra. Fourthly, the Mantra has got a Bija or seed. The seed is the keyword or a series of words, which gives strength to the mantra. Fifthly, every mantra has got power or Shakti. The Shakti is the energy of the Mantra that is the reverberation forms set by the sound of the mantra. This sound aids in the communion of human beings with the Almighty, which is worshipped. Lastly, the Mantra has a Kilaka- pillar or pin. This plugs the consciousness or the Mantra Chaitanya that is hidden in the Mantra. As soon as the plug is removed by constantly repeating the name of the Supreme Divinity, the Chaitanya or the consciousness that is hidden is revealed. The devotee gets to see the Ishta Devata.
実はCD購入前にAmazonのmp3ダウンロードで2曲300円で買ったのですが、
Mrutyunjaya Mantra の後半ノイズがひどくてがっかりしました。
Amazon に問い合わせたら返金してくれたので助かりましたが…。
いかにもCDに傷が入っているようなノイズなので、傷入りCDからmp3化したのだろうと思い
もとのCDを買うことにし、安くすませるためインドの通信販売を利用しました。
梱包は日本でも見たことないくらい丁寧で、CD一枚なのにタッパーみたいな
入れ物の中に発泡スチロールを緩衝剤にしてCDが入っていました。
ところが肝心のCDを聞いてみると、やはり同じようにノイズが載っていますw
CDの原版にノイズが入っていたのでした。仕方がないのでSoundEngineFreeという
ソフトでノイズの入っていないところを編集して聴けるものを作ってしまいました。
マントラなので同じメロディーの繰り返しですから、聞いてて継ぎ目が分からないくらいに
うまく編集できました。
ジャケットの裏を見ると前にここに書いたのとは違う説明がしてありました。
Om Jun Sah の OmがBija種字で、シャクティ(Parashakti)がJun、
Sah はlynchpin(要?サンスクリットでkīlaka[pin, pillar])、
このマントラを伝えたのは Maha Chama Pada と書いてあるのですが、
マントラのシャクティとか kīlaka って何なのでしょう。
調べてみるとここを見ると少し説明してありました。
Mantra in japa yoga plays an important part, as mantra is an absolute science. In Hinduism, mantra has six parts. It has got a Rishi (a man of Self realization) who revealed the Mantra to the world for the first time. He is the Drashtra or the Seer for this Mantra. For instance, Sage Viswamitra is the Rishi for the Gayatri. Secondly, the Mantra has a metre (Chhandas), which governs the modulation of the voice. Thirdly, the Mantra refers to a particular Devata or super natural being. This Devata or God is the essence of the Mantra. Fourthly, the Mantra has got a Bija or seed. The seed is the keyword or a series of words, which gives strength to the mantra. Fifthly, every mantra has got power or Shakti. The Shakti is the energy of the Mantra that is the reverberation forms set by the sound of the mantra. This sound aids in the communion of human beings with the Almighty, which is worshipped. Lastly, the Mantra has a Kilaka- pillar or pin. This plugs the consciousness or the Mantra Chaitanya that is hidden in the Mantra. As soon as the plug is removed by constantly repeating the name of the Supreme Divinity, the Chaitanya or the consciousness that is hidden is revealed. The devotee gets to see the Ishta Devata.
2011年12月4日日曜日
Maha Mrityunjaya mantra
Maha Mrityunjaya mantra を毎日唱えることにしました。
これです。
oṃ tryambakaṃ yajāmahe sugandhiṃ puṣṭi-vardhanam
urvārukam iva bandhanān mṛtyor mukṣīya māmṛtāt
urvārukam iva bandhanān mṛtyor mukṣīya māmṛtāt
もともとこのマントラを知ったのはナンディさんのCD“SivaSivaa!!!”でした。
南インドの訛りなのか発音が少し違うようで、ムクシーヤのところがムルゲイヤに聞こえます。CDを聞きながら同じように発音しようとしても難しいので他の人のチャンティングを探すことにしました。
意外に多いのがオームに続く tryambakaṃ の冒頭を「トラヤン」と発音しているもの。綴り通りだと「トリャン」となると思うのですが、なかなかありません。ウェブ上でこのマントラを紹介してあるところを見ると、発音だけでなく実際に trayambakaṃ と転写していたり、デーヴァナーガリ文字で書いてあっても、त्र्यम्बकं でなく त्रयम्बकं になっているところがあります。
YouTube でいろいろ聞いてみて、発音の観点からのおすすめはここらあたり。
http://www.youtube.com/watch?v=PVd4_KTJG6g たぶん Anuradha Paudwal だと思います。http://www.youtube.com/watch?v=pEz9nKIQjiI
最初が「トラヤン」になっていますが、マントラの最初と最後におまけ(samput と言うらしい)がついているヴァージョン。歌手はSuresh Wadkar
http://www.youtube.com/watch?v=SV1cVDhKZ6ghttp://www.youtube.com/watch?v=mY_9W0wstZE
マントラの最初についているのはこれ、
oṁ hauṁ juṁ saḥ oṁ bhūr bhuvaḥ svaḥマントラの終わりについているのはこれです。
oṁ svaḥ bhuvaḥ bhūḥ oṁ saḥ juṁ hauṁ oṁ
oṁ bhūr bhuvaḥ svaḥ の方はガヤトリ・マントラの最初と同じですね。
oṁ hauṁ juṁ saḥ は種字マントラで、Vāmadeva Rishi 伝の oṁ hauṁ saḥ と Kahola Rishi (アシュターヴァクラの父?)伝のoṁ juṁ saḥ を融合したもの。hauṁ [ha+oṁ haはアーカーシャ・タットヴァ] はSadashiva、juṁ は Mrityunjaya[死を克服したもの=Shiva]、saḥ はShakti を象徴するようです。
種字マントラのチャンティングも神秘的です。
Maha Mrityunjaya Bija Mantra 歌手はUnni Krishnan です。
2011年11月29日火曜日
2011年11月21日月曜日
パーニニの天才性
平岡昇修著『初心者のためのサンスクリット文法I』を手に入れて、正誤表を見ながら本に書き込んでいたら意味不明のところがありました。どういう意味か調べているうちにそれがパーニニの用語であることがわかり、彼の驚くべき天才性を目の当たりにしました。といっても私が理解したのは記述のスタイルだけなのですが、それだけでパーニニの巨大さの片鱗をうかがうことができました。
その正誤表の分からなかったところというのは、名詞の造語法・接尾辞に関するものでした。
動作主名詞をつくる接尾辞に -aka がありますが、正誤表に णक 【(ṇ)aka】 と記されているところを、ण्वुल् 【ṇvul】 に修正するように指示されています。 -aka は動詞語根に直接付く第一次接尾辞で-aka の前についている (ṇ) は指示文字と呼ばれ、この場合動詞語根の母音変化の振る舞いを指示する記号です。それでは何故 णक 【(ṇ)aka】 を ण्वुल् 【ṇvul】 に修正しなければならないのか分かりませんでした。 णक 【(ṇ)aka】 の方はちゃんと接尾辞の-aka が見えますが、ण्वुल् 【ṇvul】の方にはさっぱり接尾辞らしいものが見当たりません。
ṇvul を辞書で引いてみると、なんと辞書に載っていません。仕方ないのでネットで検索すると、どうやらパーニニに関連するらしいことがわかりかけてきました。Aṣṭādhyāyī(パーニニ文典)に書いてあるらしいですw もともと指示文字(ṇ)とか考えたのがパーニニで、ṇvul もパーニニの用語なのでした。そうすると最初の ṇ が怪しいですね。これも指示文字なのでしょう。調べているうちに最後の l も指示文字らしいようです。分かりやすく指示文字は大文字で表記する流儀があるようなので、それに従うとṄvuLと表記できます。(指示文字Lの意味は分かりませんでした。)それで vu=aka になるらしいのですが、どこに説明したあるのか分からずお手上げです。 ṇvul を辞書で引いても出てこないのは、もともとそれは単語ではなくて、パーニニの考案した記号だからでした。
第一、ṇ で始まる単語自体、モニエルに4単語しかなく、そのうち2単語は単なる音としての子音に関するものです。このあたりに普段めったに語頭に現れない音を記号に採用して、記号と単語の混同が起きないようにしたパーニニの工夫がすでに表れていたのでした。
それでとりあえず ण्वुल् 【ṇvul】の追及はあきらめて、Aṣṭādhyāyī の始まりのところを見てみることにしました。(思えばこの時何も理解していませんでした。)Google books で次の2冊を参考にしました。
Pāṇini's Grammatik, Otto von Böhtlingk
初めにシヴァ・スートラという音の分類表のようなものがあります。パーニニ自身その分類表の見かたとか何も書いていません。(後で訳者の解説を読んでどうにか理解しました。)音を分類してあること以外意味不明なのでスルーしました。それで最初のスートラがこれです。
वृद्धिरादैच् vṛddhirādaic
独訳を見るとこれで「ā、ai、au をヴリッディという」となっています。
vṛddhirādaic は vṛddhir ādaic に分けられますから、前半にヴリッディは判別することができます。語末の r は-iḥ ā- ⇒ -irā- の外連声です。
それではどうして ādaic が ā、ai、au になるのでしょうか? 例によって辞書を調べても出てきません。第一サンスクリットでは語末に現れる子音は限られていて(絶対語末)、c は語末に存在することができないのです。Sumitra Mangesh Katre の英訳を見ると、āT=aiC と分解されています。ādaic の d は外連声で t が有声化したものだと分かります。T も C も指示文字(IT marker)です。āT の T の意味合いはまだよく理解できないので、とりあえず āT で意味されているのは ā としておきます。
(Wikipediaによると「Tの文字もあらわれるがこれもITマーカーと呼ばれ、1.1.70で定義されている。このTはそれに先立つ音素が音素リストにあらわれず、アクセントと鼻音化をしめすメタ文節的特徴を含む単一の音素である。例えばāTとaTはそれぞれ{ā}、{a}をあらわしている。」)
次に aiC ですが、どうしてこれでヴリッディの ai、au を示すことができるのかというと、これは先にスルーしたシヴァ・スートラの音の一覧表を用いた表記方法になっているのです。シヴァ・スートラの4行目を見ると ai au C となっています。aiC で ai で始まり C で終わるまでの音を示しています。最後の C は IT marker なので、実質示されているのは、ai au の二つになります。
次のスートラを見ると…
अदेङ् गुणः adeṅ guṇaḥ
グナは一目でわかるので、残りの adeṅ ですが Sumitra Mangesh Katre に従って分解し、連声前の形に戻して IT marker を大文字にして分かりやすくすると、aT eṄ になります。aT は短母音の a を示し、 eṄ は先ほどのシヴァ・スートラの3行目を見ると e o Ṅ になっているので e で始まり Ṅ で終わる e o を示しています。したがって「グナは a、e、o である」となります。
ここまで来て最初からこの調子で、最後まで変わらず方程式のような記述が続いているのではと気がつきました。心の叫びとしては「最初からこれかよ!」です。古典語は格変化があるのでbe動詞がなくても文が成立するのですが、パーニニのスートラはbe動詞だけでなくほとんど動詞自体がないスタイルでコンパクトに記述しているようです。しかしこれが紀元前4世紀の人間の考えることでしょうか?!
その正誤表の分からなかったところというのは、名詞の造語法・接尾辞に関するものでした。
動作主名詞をつくる接尾辞に -aka がありますが、正誤表に णक 【(ṇ)aka】 と記されているところを、ण्वुल् 【ṇvul】 に修正するように指示されています。 -aka は動詞語根に直接付く第一次接尾辞で-aka の前についている (ṇ) は指示文字と呼ばれ、この場合動詞語根の母音変化の振る舞いを指示する記号です。それでは何故 णक 【(ṇ)aka】 を ण्वुल् 【ṇvul】 に修正しなければならないのか分かりませんでした。 णक 【(ṇ)aka】 の方はちゃんと接尾辞の-aka が見えますが、ण्वुल् 【ṇvul】の方にはさっぱり接尾辞らしいものが見当たりません。
ṇvul を辞書で引いてみると、なんと辞書に載っていません。仕方ないのでネットで検索すると、どうやらパーニニに関連するらしいことがわかりかけてきました。Aṣṭādhyāyī(パーニニ文典)に書いてあるらしいですw もともと指示文字(ṇ)とか考えたのがパーニニで、ṇvul もパーニニの用語なのでした。そうすると最初の ṇ が怪しいですね。これも指示文字なのでしょう。調べているうちに最後の l も指示文字らしいようです。分かりやすく指示文字は大文字で表記する流儀があるようなので、それに従うとṄvuLと表記できます。(指示文字Lの意味は分かりませんでした。)それで vu=aka になるらしいのですが、どこに説明したあるのか分からずお手上げです。 ṇvul を辞書で引いても出てこないのは、もともとそれは単語ではなくて、パーニニの考案した記号だからでした。
第一、ṇ で始まる単語自体、モニエルに4単語しかなく、そのうち2単語は単なる音としての子音に関するものです。このあたりに普段めったに語頭に現れない音を記号に採用して、記号と単語の混同が起きないようにしたパーニニの工夫がすでに表れていたのでした。
それでとりあえず ण्वुल् 【ṇvul】の追及はあきらめて、Aṣṭādhyāyī の始まりのところを見てみることにしました。(思えばこの時何も理解していませんでした。)Google books で次の2冊を参考にしました。
Pāṇini's Grammatik, Otto von Böhtlingk
Aṣṭādhyāyī of Pāṇini, Sumitra Mangesh Katre
初めにシヴァ・スートラという音の分類表のようなものがあります。パーニニ自身その分類表の見かたとか何も書いていません。(後で訳者の解説を読んでどうにか理解しました。)音を分類してあること以外意味不明なのでスルーしました。それで最初のスートラがこれです。
वृद्धिरादैच् vṛddhirādaic
独訳を見るとこれで「ā、ai、au をヴリッディという」となっています。
vṛddhirādaic は vṛddhir ādaic に分けられますから、前半にヴリッディは判別することができます。語末の r は-iḥ ā- ⇒ -irā- の外連声です。
それではどうして ādaic が ā、ai、au になるのでしょうか? 例によって辞書を調べても出てきません。第一サンスクリットでは語末に現れる子音は限られていて(絶対語末)、c は語末に存在することができないのです。Sumitra Mangesh Katre の英訳を見ると、āT=aiC と分解されています。ādaic の d は外連声で t が有声化したものだと分かります。T も C も指示文字(IT marker)です。āT の T の意味合いはまだよく理解できないので、とりあえず āT で意味されているのは ā としておきます。
(Wikipediaによると「Tの文字もあらわれるがこれもITマーカーと呼ばれ、1.1.70で定義されている。このTはそれに先立つ音素が音素リストにあらわれず、アクセントと鼻音化をしめすメタ文節的特徴を含む単一の音素である。例えばāTとaTはそれぞれ{ā}、{a}をあらわしている。」)
次に aiC ですが、どうしてこれでヴリッディの ai、au を示すことができるのかというと、これは先にスルーしたシヴァ・スートラの音の一覧表を用いた表記方法になっているのです。シヴァ・スートラの4行目を見ると ai au C となっています。aiC で ai で始まり C で終わるまでの音を示しています。最後の C は IT marker なので、実質示されているのは、ai au の二つになります。
次のスートラを見ると…
अदेङ् गुणः adeṅ guṇaḥ
グナは一目でわかるので、残りの adeṅ ですが Sumitra Mangesh Katre に従って分解し、連声前の形に戻して IT marker を大文字にして分かりやすくすると、aT eṄ になります。aT は短母音の a を示し、 eṄ は先ほどのシヴァ・スートラの3行目を見ると e o Ṅ になっているので e で始まり Ṅ で終わる e o を示しています。したがって「グナは a、e、o である」となります。
ここまで来て最初からこの調子で、最後まで変わらず方程式のような記述が続いているのではと気がつきました。心の叫びとしては「最初からこれかよ!」です。古典語は格変化があるのでbe動詞がなくても文が成立するのですが、パーニニのスートラはbe動詞だけでなくほとんど動詞自体がないスタイルでコンパクトに記述しているようです。しかしこれが紀元前4世紀の人間の考えることでしょうか?!
2011年11月15日火曜日
サンスクリット用のIME、フォント
サンスクリットの入力で自由にデーヴァナーガリー入力するための、サンスクリットIMEを紹介してみましょう。
最初に試したのはChandas IME。
しかしこれは64bitのOSに対応せず自分の環境では動かせませんでした。
次に試したのがVidyut。キー配列は、ほぼChandasと同じですが、Chandasで出来たZWNJやヴェーダ語のアクセント記号の入力ができません。
ヴェーダ語まで手を出す余裕はないのでアクセント記号の入力ができないのは構わないけれど、ZWNJの入力ができないのはちょっと困ります。
ドキュメントを読んでいると、必要ならMicrosoftのKeyboard Layout Creator 1.4でカスタマイズするように書いてあったので、ChandasIME風に改造しようかと思ったのですが、それよりもChandasIME自体をKeyboard Layout Creator で読み込んでSetup Packageを作成すれば手間が省けると気づきました。そこでVirtualPCのXPモードでChandasIMEをインストし、それをKeyboard Layout Creator で読み込んで64bit OS 用のセットアップ・プログラムを作成しました。
他にVaidikaというIMEもあります。
IAST、HK関連でこんなのもあります。
GGM XHK Keyboard
キーはHarvard-KyotoでIAST( International Alphabet of Sanskrit Transliteration)入力できるIME。
Veni XHK Sans Condensed
Veni XHK Serif Condensed
Harvard-KyotoのテキストをIAST表示にするFont。
最初に試したのはChandas IME。
しかしこれは64bitのOSに対応せず自分の環境では動かせませんでした。
次に試したのがVidyut。キー配列は、ほぼChandasと同じですが、Chandasで出来たZWNJやヴェーダ語のアクセント記号の入力ができません。
ヴェーダ語まで手を出す余裕はないのでアクセント記号の入力ができないのは構わないけれど、ZWNJの入力ができないのはちょっと困ります。
ドキュメントを読んでいると、必要ならMicrosoftのKeyboard Layout Creator 1.4でカスタマイズするように書いてあったので、ChandasIME風に改造しようかと思ったのですが、それよりもChandasIME自体をKeyboard Layout Creator で読み込んでSetup Packageを作成すれば手間が省けると気づきました。そこでVirtualPCのXPモードでChandasIMEをインストし、それをKeyboard Layout Creator で読み込んで64bit OS 用のセットアップ・プログラムを作成しました。
他にVaidikaというIMEもあります。
IAST、HK関連でこんなのもあります。
GGM XHK Keyboard
キーはHarvard-KyotoでIAST(
Veni XHK Sans Condensed
Veni XHK Serif Condensed
Harvard-KyotoのテキストをIAST表示にするFont。
2011年11月12日土曜日
Ashtavakra Gita のE-Text
ネット上にAshtavakra Gita のE-Text がいくつかありますが、比較してみると結構間違いがあるので、自分でE-Text を作ることにしました。
最初に下敷きにしたのはこれ。調べてみると結構間違いがたくさんあります。
Sanskrit text with English Transliteration & Translation by John Richards
http://www.scribd.com/doc/54192897/
次に上のに比べてかなりよく修正されているのがアーナンダ・ウッドのテキストで複合語も単語間をハイフォンで繋いで示しているので助かります。
Ashtavakra-samhita by Ananda Wood
http://sites.google.com/site/advaitaenquiry/Ashtavakra.pdf
これとほぼ同じテキストがここにあります。
http://gretil.sub.uni-goettingen.de/gret_utf.htm#Astavg
それで最終的に Nityaswarupananda のデーヴァナーガリーのテキストと比較して残された間違いを消していっているところです。1940年版と1953年版があります。下のリンクは1940年版です。
http://www.scribd.com/doc/2673274/AshTavakra-Geeta
ITRANS で転写して、ITRANSLATOR で変換してデーヴァナーガリーと IAST のテキストを作成するのですが、同じ単語でも表記の仕方がいくつかあるので、Nityaswarupananda のテキストに合わせて最後は手で編集することにしました。
デーヴァナーガリー文字の場合フォントによって、表現できる結合文字の数に違いがあるので、できるだけ多くの結合文字を使えるようにまずフォントを選ばないといけません。それでITRANSLATORのホームページからSanskrit2003.ttf と svayambhava.org から Chandas.ttf 等をダウンロードしてインストしました。
最初に下敷きにしたのはこれ。調べてみると結構間違いがたくさんあります。
Sanskrit text with English Transliteration & Translation by John Richards
http://www.scribd.com/doc/54192897/
次に上のに比べてかなりよく修正されているのがアーナンダ・ウッドのテキストで複合語も単語間をハイフォンで繋いで示しているので助かります。
Ashtavakra-samhita by Ananda Wood
http://sites.google.com/site/advaitaenquiry/Ashtavakra.pdf
これとほぼ同じテキストがここにあります。
http://gretil.sub.uni-goettingen.de/gret_utf.htm#Astavg
それで最終的に Nityaswarupananda のデーヴァナーガリーのテキストと比較して残された間違いを消していっているところです。1940年版と1953年版があります。下のリンクは1940年版です。
http://www.scribd.com/doc/2673274/AshTavakra-Geeta
ITRANS で転写して、ITRANSLATOR で変換してデーヴァナーガリーと IAST のテキストを作成するのですが、同じ単語でも表記の仕方がいくつかあるので、Nityaswarupananda のテキストに合わせて最後は手で編集することにしました。
デーヴァナーガリー文字の場合フォントによって、表現できる結合文字の数に違いがあるので、できるだけ多くの結合文字を使えるようにまずフォントを選ばないといけません。それでITRANSLATORのホームページからSanskrit2003.ttf と svayambhava.org から Chandas.ttf 等をダウンロードしてインストしました。
参考までにフォントによって結合文字の表現がどのように変わるかいくつか例を挙げてみました。
まずṅgaを見てみるとMangal では縦の結合文字が表示できません。
ddhaではどのフォントも結合文字が表示されますが、一字追加してddhraになるとMangalで結合文字が表示できずに、最初のdがヴィラーマでの子音表記になります。さらに一文字追加してddhryaになるとSanskrit2003でも結合文字が表示できずに最初のdがヴィラーマを用いた表記になります。ChandasとSiddhantaでは結合文字表記できますが、字の形が違いますね。
次のjjaの三つの表記方法は入力の仕方によって表現できるものです。
ज(ja)+ヴィラーマ+ज でjjaの結合文字が表記できます。(Mangalにはjjaの結合文字がないので表記できません。)Sanskrit2003では水平方向の結合になっているのに対し、残りの二つでは垂直方向の結合文字になります。
ज+ヴィラーマ+ZWJ+ज でjの半体を用いた表記になります。ZWJはゼロ幅接合子(Zero-width joiner U+ 200D)。
ज+ヴィラーマ+ZWNJ+ज で半体にならずヴィラーマ自体が表示される表記になります。ZWNJはゼロ幅非接合子(Zero-width non-joiner, U+200C)
Nityaswarupananda のテキストから実例を挙げてみます。アシュターヴァクラ・ギーターの2章7節ですが、上段にjjaの水平方向の結合文字、下段にjjの半体表記とヴィラーマによる表記があります。
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