2009年6月1日月曜日

ヘレンのACIM解釈について 11/14

何が起きたのか? (つづき)

事実ケンは彼自身文字通りに理解する人として出発したように見える。彼の最初期の著作には、後期のアプローチで非常に特徴的になる隠喩的アプローチが全く無いように見える。私は確かにその痕跡をなにも見つけられない。これらの著作を読むとき、私は(文字通りの理解者として)彼の言うことすべてにほぼ合意する自分を見出す。

ケンが彼自身 literalist として出発したという考えを支持して、ここに1981年ちょうどヘレンの死後2・3ヶ月に行われたワークショップの写しである小冊子A Talk Given on 'A Course in Miracles,' からの一節がある。

「私たちを愛する誰かある人がいることを知らねばなりません。しかしその人は私たち自身ではありません。それは聖霊、もしくはイエスです。…ワークブックの最後でイエスはこう言っています。『このことを確信していなさい。私は決してあなたを慰めのない状態のままにして置き去りにはしない。』(W-pII.ep.6:8)彼がこれらの言葉でまさに文字通りに[ literally] 私たちの中に私たちに属さない誰かある人がいて、その人が私たちを愛し慰めるだろうということを意味しているのを知らないならば、 私たちはエゴ・システムの岩盤を決して打ち抜くことは出来ないだろう。」24

このことに注意してください。ケンは単に実在的な活動的聖霊を主張するだけでなく、イエスがそのことについて語っているとき、「彼がこれらの言葉でまさに文字通りに意味している」ともまた言っています。少し留まって、このことを正しく評価してみよう。コースが聖霊について私たちと共にあり、私たちを愛し慰める実在的な誰かとして語るとき、 ケンはこの言葉をまさに言葉通りに受け取るよう私たちに力説している。ここでは、ケンの後期の教えに親しんでいる人は飛び出した目玉を眼窩の中に押し戻さなければならないだろう。彼らはつぎに引用するような文章を読み続けているだろうから。すなわち、「どんな言い回しでも、神、聖霊、イエスが…我々の分離した自己と世界とに互いに影響し合う現実的人格[person・ペルソナ]のように示唆するものは、例外なく、二元論的次元における表現であり、隠喩としてのみ意味を持つ」25 、「もしこれらの言葉を言葉通りに受け取るなら、子供時代の世界、神の代わりに主人公の苦境を救う妖精やサンタクロース、甘いパパ[パトロン]の世界に戻っているのに気づくだろう。」26

しかし1981年に戻ってみると、ケンはどう見てもコースの literalist である。その初期の日々には、ヘレンの導きにしたがっていたように思われる。 しかしながら、ヘレンの死後2・3年して80年代の中頃や終わりには、ケンの教えは劇的な変化を経た。その教えは迅速に隠喩的アプローチを採用し、それはケンがコースの実際の言い回しに反対の立場をとり、その言い回しを単に隠喩であるとして退けることを許した。彼が通り抜けた変化の多くの実例の一つとして、ここに1985年の聖霊の実在についての質問に対する答えがある。

「Q. もし分離が幻想で、聖霊がそれを解決するために存在の中に入ってきたのなら、聖霊は幻想なのではありませんか?

A. いいえ、神が彼を創造されたのですから。でもいい質問です。コースの答えはこうです。分離が完全に癒され、聖霊がもはや必要でなくなるときに、彼はなおも存在します。 神が彼を創造されたのですから。」27

ケンはこの問いにコースの語り方やヘレンの聖霊に関する見解の精神に添って回答している。言い換えれば、彼はコースの literalist として答えている。しかしながらここに1997年の同じ問題について後期ケンの言及がある。

「それで同様にまた聖霊も幻想に違いない。無益で意味のないもの[もしくは錯覚]であるものを訂正(翻訳)するのだから。」28

この答えはコースが実際に言っていることとは全く異質である。それはまさにケン自身が初期に言っていたことのまさに正反対である。 1985年:「聖霊が世界で幻想を訂正するという事実は、聖霊が幻想であることを意味するのではない。彼は実在で、永遠なる神の創造である。」1997年:「聖霊が世界で幻想を訂正するという事実は、聖霊が幻想に違いないということを意味する。」 この二つの言明の間のどこかの時点で、ケンは完全に裏返しになったのだ。

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24. A Talk Given on 'A Course in Miracles,' 7th ed. (1st ed. 1983; 7th ed. 1999), p. 109.

25. Few Choose to Listen, p. 95.

26. Few Choose to Listen, p. 69.

27. The Fifty Miracle Principles of 'A Course in Miracles,' 1st ed., pp. 129-130.

28. Few Choose to Listen, p. 88.

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