2010年3月18日木曜日

スピノザとゆるし

上野修『スピノザの世界』にスピノザとゆるしについて書いてありました。『エチカ』第2部の末尾に、自由意志があると思っているのは錯覚で存在しないということを理解すると、「実生活のためにいかに有用であるか」ということが述べてありますが、これがゆるしに繋がるというのです。実際に「ゆるし」ということばがスピノザの原典にあるのか確認してみるとありませんでした。「ゆるし」として理解したのは著者の解釈であることが分かりましたが、ACIM に興味を持つものとして面白いので、以下に引用してみましょう。括弧内が上野氏の解釈になります。

1. この説は、安らぎと最高の幸福を教え、正しい生き方がおのずとできるようになる効果をもたらす。(自分をゆるしてやること)

2. この説は、運命に振り回されない力を与えてくれる。(神と世界をゆるしてやること)

3. この説は、人々との社会生活に寄与する。(人間をゆるしてやること)

4. この説は、共同社会のために寄与する。(社会をゆるしてやること)

スピノザ自身の翻訳はこちらにあります。
http://nam21.sakura.ne.jp/spinoza/#notee2

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