2009年5月17日日曜日

マインドの意味と編集による改変 ACIM読み比べ 3

引き続き先の「ACIM読み比べ2」に引用されている同じ部分をHLC版で読み込んでいる部分です。
Charityの定義をFIP2版とHLCを並べて見ましょう。上がHLC、下がFIPです。
This is because healing rests on charity, and charity is a way of perceiving the perfection of another even if he cannot perceive it himself.
This is because healing rests on charity, and charity is a way of perceiving the perfection of another even if you cannot perceive it in yourself.
変更されているのは色を変えているところですが、編集前のHLCを見て編集が必要であると見えるでしょうか。しかもheをyouに、himselfをyourselfに変更することによって同一人物を指しているanotherとhe(himself )が別人になってしまいました。
他にもmanをyouに書き換えたり、man自体を消去するために文の構造自体を変えて書き換えたりしてます。こんな風に、上がHLCで下がFIPです。
Healing is an ability lent to man after the separation, …
Healing is an ability that developed after the separation, …
どうもKenneth Wapnick さんはman とか he のような性差のある言葉を消したかったようですね。
これは米国の聖書の翻訳に現れた女性に配慮した書き換えと同じ傾向のように思えます。しかし技術的に性差をもつ言葉を性差の無い言葉に文意を変えることなく変更するのはかなり難しいことです。元の意味が見えなくまで編集の手を加えるのはいうまでもなくやり過ぎです。
それでは翻訳の続きです。

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しかしこの一節をヒュー・リン・ケイシー版のテキストで別様に読むとき、再び見失った意味が混乱した状況のもとに戻ってくる。

“Healing is an ability lent to man after the separation, before which it was completely unnecessary. Like all aspects of the space-time belief, healing ability is temporary. However, as long as time persists, healing is needed as a means for human protection. This is because healing rests on charity, and charity is a way of perceiving the perfection of another even if he cannot perceive it himself. ”2.3.18.3-6
「癒しは分離の後で人に与えられた能力であって、それ以前には全く必要とされていなかった。すべての時空の信念の局面と同様に、癒しの能力は時間的なものである。しかしながら、時間が存続する限り、癒しは人を援護する手段として必要である。これが癒しが愛(charity)に基づくという理由であって、たとえ他の人がそれを自らの内に知覚しなくても、彼の完全性を知覚するための方法である。」

“Most of the loftier concepts of which man is capable now are time-dependent. Charity is really a weaker reflection of a much more powerful love-encompassment which is far beyond any form of charity that man can conceive of as yet. Charity is essential to right-mindedness in the limited sense in which right-mindedness can now be attained. Charity is a way of looking at another as if he had already gone far beyond his actual accomplishments in time. Since his own thinking is faulty he cannot see the Atonement for himself, or he would have no need for charity. The charity which is accorded him is both an acknowledgment that he is weak and a recognition that he could be stronger. ”2.3.19.1-6
「人が今持ちうる高尚な概念でさえほとんど時間に依存している。charityは実際、今まで人間に思いつけるどのような形の愛(charity)を もはるかに越えた、きわめて力強い愛の包括性を、不十分とはいえ反映している。限られた意味において、charityは心の正しい状態に不可欠であり、それによって今その状態に達し得るのである。愛(charity)は他の人を、彼が実際に時間の内でなし遂げたと思っているよりも遙か遠くまで、既に進み終えているかのように見る方法でもある。その人自身の考え方には欠点があるので、自分で贖罪を見ることができずにいる、そうでなければ愛(charity)など必要としないだろう。その人に授けられる愛(charity)は、その人は弱いということを承認すると同時に、彼はより強くあり得るはずだと認めることである。」

“The way in which both of these perceptions are stated clearly implies their dependence on time, making it quite apparent that charity lies within the human limitations, though toward its higher levels. We said before that only revelation transcends time. The miracle, as an expression of true human charity, can only shorten time at most. It must be understood, however, that whenever a man offers a miracle to another, he is shortening the suffering of both. This introduces a correction into the whole record which corrects retroactively as well as progressively.”2.3.20.1-5
「これらの知覚の両方が述べられている仕方を見ると、それは明らかに時間に依存していることを意味し、それは愛(charity)が、より高いレベルに向かっているにせよ、全く人間の限界内にあることを明らかにする。私たちが以前述べたように、ただ啓示だけが時間を超越する。奇跡は、真の人間的愛(charity)の表現として、せいぜい時間を短縮することができるだけである。しかし、ある人が他人に奇跡を提供するときはいつも、その人は両者の苦しみを短くしているのだと理解しなければならない。これがすべての記録[アカシック・レコード]のうちに修正を導入し、それは未来に向かってだけでなく、過去にさかのぼっても修正する。」

この定義は出版された版の定義よりもそれほど奇妙ではない。というのもただその定義がその表面に遙かに大きな意味を持っているから。またそれは一連の段落の意味についての問題を完璧に解決している。この定義が正しいものであるということを疑う理由はほとんど見あたらない。編集者が、どういう訳にせよ、間違いを犯したことも同様である。

この一節の中に多くの小さな改変があることにも注意を払って良いだろう。私たちがしばしば見出したように、それらの改変に正当な理由があるとは思えない。何故科学的な用語の「時空」の代わりにより一般的ではあるが正確ではない「時間と空間」に改変したのだろうか?何故Textの全体にわたって「人(man)」を「あなた(you)」や「あなたやあなたの兄弟達(you and your brothers)」に入れ替えているのか?何故、あちらこちらで切り詰めて、その結果短くなったとはいえ、理解しにくい版を作り上げたのか?

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