2009年6月25日木曜日

ロバート・ペリー "Sings" の書評

Amazon に書いた書評です。これまでたくさんのACIMの解説本を書いてきた著者ですが、これは著者にとって直接ACIMの解説を目指していない初めての本です。しかしACIMに関わってきた人生経験の中で生じた共時性が話題になるので、いろいろ面白いエピソードが出てきます。ACIMを離れても、この本は共時性についての驚異的なガイドブックであり、もしかしたら人生を一変させる力を秘めているかもしれません。この本を読んで自分にも過去に強烈な体験があったことを思い出しました。

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Signs: A New Approach to Coincidence, Synchronicity, Guidance, Life Purpose, and God's Plan

共時性についての驚異的なガイドブック

著者ロバート・ペリーはACIMのある団体の代表であるが、この本はACIMそのものではなく、
ユング以来認知されることになった共時性(Synchronicity)、意味ある偶然の一致
(Coincidence)についてのガイドブックである。彼はこの現象をCMPE
(Conjunctions of Meaningfully Parallel Events)と呼んで、独自の定義を与えている。
スピリチュアルな道の探求者であれば、自己を超越した存在からのアドバイスが欲しいと
思うこともあるだろうが、どうすればよいか困惑するばかりではないだろうか?
この本はCMPEを解釈することでそのような導きが得られることを示している。
章ごとに実際に著者の体験したCMPEの実例と解釈が示されていて、
それを読むだけでも興味深い。この本自体もCMPEのガイダンスに基づいて書かれている。
例えば How to を扱う部分をペリーは最初書くのをためらっていた。
それは読者が間違った解釈をして人生を狂わせてしまうのを恐れたからであるが、
CMPEが起こり彼は自らの方針を変えることになった。
この本の前半は彼の提示するCMPEを使いこなすためのガイドブックとなっているが、
後半はCMPE自身の持つ性格についての踏み込んだ探求の過程が示されている。
特に興味深かったのが第8章の「サインは未来を予言できるか?」である。
その中にある1つの事例の概略をご覧いただきたい。
ペリーはACIMの書記者であるヘレン・シャクマンについて書かれた本Absence from Felicityを手に入れ、
彼女が「死海文書」の発見されたクムランの洞窟を訪れて、そこが8年前に「God is」と
記された巻物を白昼夢で見たその場所であったことに気づき、涙を流したとのエピソードを読んだ。
その翌日(1991.10.2)彼はスーパーマーケットで、U.S.News の最新版の記事を見て、
一部の学者だけが見ることが出来た「死海文書」の非公開の部分が劇的な仕方で公になったことを知った。
それまで40年間「守秘ルール」によってごく一部の学者しか見ることが出来ず、
それは「アカデミック・スキャンダル」とさえ言われていた。
しかし「守秘ルール」の範囲外の図書館の中で非公開の資料のすべての写真が発見され、
それが公開されることによって「守秘ルール」自体が無効化されたのであった。
その後帰宅したペリーは先のヘレンについて書かれた本を再読し、
そこにまだ公にされていない資料がたくさん含まれているのを見て、
何故それが秘匿されているのか疑問に思っていた。そのとき友人から電話があり、
その本の中にあるヘレンが受け取った「イエスの復活に関する特別なメッセージ」に
注意を向けさせられた。その本の著者[ワプニク]はこのメッセージはヘレンの恐れによって
ゆがめられていると主張しているが、友人はそれに同意できないと言ったのだった。
このイエスの復活について与えられたメッセージをペリーは既に知っていたのだが、
この著者によって発表するのを禁じられていた。そして彼はこの著者にとって不都合な
資料が隠匿されているのではないかと疑った。そしてその時気づいたのだが、このメッセージが与えられた日付は
1976.10.2でちょうど15年前の出来事であり、3つの出来事からなるCMPEが生じていたのである。
ここからペリーはACIMにも未公開の資料があるのではと考え、ACIMの初期メンバーに問い合わせるが、
その存在は否定されてしまう。
しかし2000年、ACIMにも「死海文書」と同じような出来事が発生し、
2つの未公開資料が無名の人々によってインターネット上で公開され、
CMPEが未来の出来事にまで及んでいることが判明するのであった。
最後の章を書き終えて、ペリーはCMPEが神に由来することを示してくれるように祈り、
そして驚異的なCMPEが生じたことをエピローグに記している。これまでCMPEにおいて
発生する平行事象は平均して8個前後であったが、最後に与えられたのは32もの平行事象を
含んだものであった。そして、それまで自分の本についてのアドバイスだと考えていた
サイン[CMPE]が、実はサインが自らについて希望することを示しているのに気づくのであった。
サイン自体が人々のもとに届いて人々の人生を一変させることを望み、
そうするためにペリーをしてサインについての本を書かせたのであると。

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